6月29日、第196回通常国会において「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(働き方改革関連法)が成立しました。
内容としては、物議を醸した高プロ制度の創設、残業時間の上限規制等、平成29年3月に策定された「働き方改革実行計画」に基づき、主な計画項目の具体的内容を法案化したものとなっています。
時間外労働の上限を年720時間、単月100時間(休日労働含む)、数月平均80時間(同)を限度に設定
10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日間の有給休暇について毎年時季を指定して与えなければならない。
月60時間超の割増賃金率の猶予措置を廃止(25%→50%)
正社員と非正規労働者の待遇に不合理な差をつける事の禁止
高プロ制度導入により高収入(1,075万円以上)の労働者の残業代等が支払われないという労働者側にとっての不利益はありますが、
他の内容については残業時間の上限規制や有休消化の義務化等、労働条件の体制の整っていない事業主にとっては人件費の増加や人手
不足に拍車をかける事になるようなものばかりです。
今回の改正は早いものでは来年の4月から施行となっています。
中小企業は大企業よりは時間の余裕がありますが、近い将来対応しなくてはいけないのは確実です。
また、2020年4月1日に施行される改正民法では賃金債権の消滅時効が5年間に統一される可能性も取りざたされています。
人手不足の今後は会社経営の市場環境は厳しくなり、コンプライアンスが低い会社は淘汰されていく可能性が非常に高くなります。
中小企業の場合、社長が意識しないと体制を変えることは出来ません。
改革を後回しにせず早いうちに社内体制を構築しておきたいものです。