焼き立てパンの販売がさほど評判にならなくなっていたが、5年ほど前から始めた食パン1種類のみの製造販売で成功した
「乃が美」が有名になり、全国で120店舗開業した。私の顧問先が食パンオーブンを専属的に請け負っている。
以前のオーブンフレッシュベーカリーは多種類のパンを作っていて売れ残り品を処分していたが、
「乃が美」は単品かつ売切れ御免商売であるため、製造も非常に単純なので仕入れから販売まで管理しやすく、
コストが安いのに売値は1本(1斤)432円と高い。人気店は1日100万円を売上げ、大儲けらしい。
「しっとり・もちもち」「やさしい甘み」「耳まで美味しい」がキャッチフレーズです。
京都の繁華街で開業している「ひゃくしょくや」。1日100食限定のお店です。
ホームページには『新鮮なものを食べてほしいから、当店には冷凍庫がありません。毎日100人分の食材を仕入れ、
100人にご提供する。そうすることで新鮮で作りたての美味しいお料理をご提供することができます。営業時間はお昼だけ。
それは100食限定のため、ランチで売り切れ、働くメンバーが仕事もプライベートも大切にできる』とあります。
値段は1,200円×100=12万円の売上げ、そこらの居酒屋より効率的です。
確か経営者が女性で、この商売のやり方を表彰されました。
発想の転換に感心します。名前の付け方もよく考えておられますね。
上記のとおり、発想の転換により単品販売そして売切り型の商売は、ヒト・物・金の管理がしやすく
その分コストもかからず利益を生んでくれる。
多品種販売のコンビニの管理は情報分析を機械に頼っているが、この商売はその必要もなく自動的に仕事の合理化が可能である。
この発想で他の事業が変わるかもしれない。例えば今の家電製品・車。めったに使わない機能が沢山ついて価格が高いが、
単純な製品が製造され安く買えれば、消費者にインパクトを与えるかもしれない。地球資源の節約にもつながるのではないか?
今年のスローガンは“成功の反対は失敗ではなく、何もしない事です”に決めました。
10年ほど前、ある会社の役員会で退職予定者が挨拶された言葉です。 皆様の発想の転換を期待しています。
( 足立 光三 記 )