平成26年に、競馬の払戻金について外れ馬券の購入費用が必要経費となるか否かの控訴審判決がありました。このニュースにより「競馬で勝てば申告が必要となる場合がある」ということを知った方も多いのではないでしょうか?給与や事業で得た収入については税金がかかることは周知されていますが、それ以外の仕事ではないことで得た収入についての申告要否は知らない方が多いような感じがします。そこで今回、時々ご質問を頂く内容を少し取り上げてみたいと思います。
一番多くご質問頂くのが宝くじです。1等・前後賞合わせて数億円!こんな高額であれば多額の税金がかかりそうですが、宝くじは税金が全くかかりません。これは当せん金付証票法という宝くじについての法律で『当せん金には所得税を課さない』と定められているためです。「所得税はかからないけど住民税はかかるのでは?」という質問もされますが、住民税は所得税を基に計算されるので、所得税が非課税=住民税も非課税となります。 注意したいのは、当せん金を分配すると金額によっては贈与税がかかります。共同購入した場合に、一人がまとめて受け取り、他の人に分配した時も同じです。共同購入者全員で受取りに行くか、行けない人からは委任状を書いてもらう必要があります。
先に書いた競馬や競輪、競艇の払戻金は一時所得となり必要経費を差し引いた額が50万円を超えると申告・納税が必要となります。他にも生命保険・損害保険の満期返戻金、立退きの際に受け取る立退き料、クイズや懸賞での賞金、落し物を拾った時のお礼や持ち主が判明しなかった時の所有権移転による収入も、一時所得になるので払戻金と同じく必要経費を差し引いた金額が50万円以上の場合は申告・納税が必要です。
所謂“あぶく銭”と言われる、働かず苦労せずに得たお金は、気が大きくなり瞬時に散財してしまう傾向にあると思います。全てを遣い果たした後に「実は税金を払わないといけなかった!」と慌てることがないように気を付けてください。 来月発売のサマージャンボ宝くじは1等・前後賞合わせて7億円です。これは税金がかからないので安心してどんどん遣っても大丈夫です!