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その他所得税

児童手当の拡充と扶養控除の縮小

はじめに

2024年10月分から子育て支援の一環として、児童手当制度の受給対象者が拡充されたことはご存じでしょうか。
そして児童手当の拡充と並行して、16歳から18歳の扶養控除が縮小されることを2026年から予定しております。

児童手当の拡充について

(1)所得制限の撤廃

これまで年収960万円以上の場合などは受給に制限がありましたが、この制限が撤廃され、所得の額にかかわらず全額支給されることになりました。

(2)支給対象年齢の延長

これまでは中学生以下が対象でしたが、今後は高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)も支給対象となります。

(3)第3子以降の手当額の増額

第3子以降の児童手当の支給額が月額3万円となります。

(4)支給月の変更

4か月分の手当を年3回の支給から、2か月分の手当を隔月(偶数月)の支給に変更されます。
このような変更がなされたことにより、これまで児童手当の支給を受けていなかった方、支給額に変更のある方は申請が必要となります。

扶養控除の縮小について

高校生年代の扶養控除の縮小ですが“予定”ということで最終確定はしておらず、令和7年度税制改正でも検討していくことになっております。
しかし昨年の税制改正大綱において、この扶養控除は具体的な額(所得税では38万円から25万円に、住民税では33万円から12万円に減額。)が記載されており、この通りに行く可能性が極めて高いと思われます。

おわりに

2010年4月にこども手当が1万3千円ではじまり、2011年1月から所得税の年少扶養控除は廃止され、10月分から3歳未満は1万5千円、3歳から中学生までは1万円に変更、2012年6月分からは所得制限が設けられ、住民税の年少扶養控除も廃止されました。
児童手当にはこのような歴史があります。

2026年4月から「子ども・子育て支援金」という名で社会保険料が増加することが確定しています。
こういったものが名を変え、形を変え、個人の負担が増加し、また同じ歴史の繰り返しになるのではないだろうかと懸念しております。
とはいえ扶養控除の減額は2026年以降のことになりますので、今回の衆議院議員総選挙によっては一転する可能性もございます。